ヒートテックをパジャマ代わりに着るのはあり？メリットと注意点

「ヒートテックをパジャマ代わりに着るのはあり？」「寝るときに着ても大丈夫？」
冬の夜、こんな疑問を持って調べている方は多いと思います。

ヒートテックのようなあたたかいインナーは、薄手なのにしっかり防寒できて便利です。
そのぶん、「そのままパジャマ代わりに着て寝てもいいのかな」「体に負担はないのかな」と心配になることもありますよね。

この記事では、ヒートテックをパジャマ代わりに着る場合のメリットと、気をつけたい注意点を、できるだけやさしい言葉でまとめました。
「絶対にダメ」「必ずこうするべき」と決めつけるのではなく、自分の体質・部屋の環境・寝具とのバランスを見ながら選びやすくなるようにお伝えしていきます。

最後には、ヒートテック以外の就寝向きインナー・パジャマの選び方も紹介します。
冬の夜をあたたかく、そしてできるだけ心地よく過ごしたい方の参考になればうれしいです。

ヒートテックをパジャマ代わりに着るのはあり？まずは結論

「ヒートテックをパジャマ代わりに着るのはあり？」という質問に、一言で「いい」「悪い」と言い切るのはむずかしいです。
ただ、いろいろな情報を整理すると、上手に使えば便利だけれど、就寝中は注意したいポイントが多いと言えそうです。

ヒートテックはもともと「日中用の防寒インナー」

ヒートテックに代表される吸湿発熱素材は、汗などの水分を吸収して発熱するしくみを持っています。
そのため、外が寒い日中の外出時など、「身体を冷やしたくない場面」で力を発揮しやすいインナーです。

一方で、寝ているときはすでに布団や毛布で体がしっかり保温されている状態です。そこに発熱するインナーを重ねると、熱がこもりやすくなったり、汗をかきすぎてしまったりする可能性があると指摘されています。

ヒートテックを着て寝ると心配されること

睡眠中は、体が自然に体温を調整しながら、深い眠りに入っていきます。手足から熱を逃がして、体の内側の温度を少し下げることで、眠りに入りやすくなると言われています。

しかし、保温性の高いインナーをぴったり着たまま寝ると、熱が逃げにくくなる可能性があります。
その結果、「暑くて寝苦しい」「汗をかきすぎてしまう」「汗が冷えて寒く感じる」といった状態につながりやすいとされています。

ただし、部屋がとても寒い環境・体質的に冷えやすい人など、ヒートテックをパジャマ代わりにすることで助けになる場合も考えられます。
大切なのは、「誰にでも同じ正解」はないことを知ったうえで、次に紹介するメリットと注意点を押さえ、自分に合うかどうかを見極めることです。

ヒートテックをパジャマ代わりにするメリット

まずは、ヒートテックをパジャマ代わりに着ることで感じやすいメリットから見ていきます。
「便利だからやってみたい」という気持ちには、ちゃんと理由があります。

薄くて軽いのにあたたかい

ヒートテックの大きな特徴は、薄手でもあたたかさを感じやすいことです。
厚手のパジャマを重ね着しなくても、インナー1枚でしっかり保温しやすいため、布団の中で動きやすい・寝返りがしやすいと感じる人もいます。

部屋着からパジャマへの着替えが少なくてラク

冬の夜は、ヒートテック＋スウェットやニットのような格好で過ごす人も多いです。
そのまま布団に入れば、「パジャマに着替える手間が少ない」「荷物を減らしたい一人暮らしや旅行にも向いている」という気軽さにつながります。

洗濯しやすく乾きやすい

ヒートテックのようなインナーは、洗濯しても乾きやすい素材が使われているものが多いです。
毎日洗って清潔に使いやすいため、パジャマ代わりにしてもローテーションしやすいのはメリットのひとつと言えます。

こんな人にはメリットを感じやすい

• アパートや一軒家で部屋が冷えやすい環境の人
• 夜中に布団をはいでしまい、体が冷えやすい人
• 荷物を減らしたい出張・旅行・キャンプなどで寝る服をコンパクトにしたいとき

このように、ヒートテックをパジャマ代わりにすることには、たしかに便利さやあたたかさというメリットがあります。
ただし、その一方で注意したい点も多いので、次の章でしっかり確認していきましょう。

ヒートテックをパジャマ代わりに着るときの注意点・デメリット

ここからは、ヒートテックをパジャマ代わりにしたときに気をつけたいポイントをまとめます。
「自分は大丈夫そうか」「どこを工夫すればよさそうか」という視点で読んでみてください。

寝汗が増えて、寝苦しくなる可能性がある

睡眠中、人はコップ1杯分ほどの汗をかくと言われています。
吸湿発熱素材は、汗などの水分を吸って発熱するしくみなので、寝ている間も汗を吸う⇒発熱する、という状態が続くことがあります。

その結果、

• 布団の中で暑く感じて目が覚める
• 汗をたくさんかいてパジャマやインナーが湿ってしまう

といった、寝苦しさにつながる可能性があります。

汗が冷えて「逆に寒く感じる」ことも

汗を多くかいてインナーが濡れたままになると、時間がたつにつれてその水分が体の熱をうばい、冷えにつながる場合があります。
「ヒートテックを着ていたのに、夜中に寒くて目が覚めた」というときは、汗が冷えてしまった状態が関係していることも考えられます。

乾燥肌・敏感肌の人はかゆみが出る場合も

ヒートテックのようなインナーには、レーヨンやアクリルなどの化学繊維が使われているものが多く、汗と一緒に肌の水分も奪われて乾燥しやすいとされることがあります。
乾燥肌・敏感肌の人は、長時間着続けることで、

• かゆみを感じる
• チクチクする・ピリピリすると感じる

といったトラブルにつながる可能性もあります。

体温の調整がしにくくなるおそれ

眠りに入りやすくするためには、体の内部の温度（深部体温）を少し下げることが大切と言われています。
しかし、保温性の高いインナーをぴったり着ていると、手足からの放熱が妨げられ、体温が下がりにくくなる可能性があります。
その結果、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりするおそれがあると紹介している記事もあります。

これらの理由から、「就寝時のヒートテック着用は控えたほうがよい」とする意見も存在します。
ただし、すべての人に同じ影響が出るとは限らないため、体調や肌の様子を見ながら判断することが大切です。

ヒートテックをパジャマ代わりにするときの上手な使い方

ここまでの内容をふまえたうえで、それでもヒートテックをパジャマ代わりに使いたいときに意識したいポイントをまとめます。
すべてを完璧に守る必要はありませんが、できそうなものから試してみるイメージで大丈夫です。

① 部屋の温度と布団の厚さを見て「着すぎない」

ヒートテック＋厚手のパジャマ＋毛布＋羽毛布団…というように、重ねすぎると暑くなりやすいです。
暖房を使っている部屋なら、

• ヒートテック＋薄手のパジャマ
• ヒートテックなし＋少し厚手のパジャマ

など、組み合わせを調整してみるのもひとつの方法です。

② 肌に直接触れる部分は「やさしい素材」にする

乾燥やかゆみが気になる人は、肌に直接あたるのを綿（コットン）などのやわらかい素材にする工夫もあります。

• 一番下：綿のインナー
• その上：ヒートテック
• さらに上：パジャマ

といったように、ヒートテックを肌から一枚はなすことで、刺激を減らせる場合があります。

③ 首・手首・足首まわりで温度調整できる服を選ぶ

「ちょっと暑いな」「少し寒いな」と感じたとき、すぐに調整できるかどうかも大切です。

• 首元があきすぎず、でもボタンを開ければ少し風が通るタイプ
• 袖や裾を少しまくって熱を逃がしやすい服

など、こまかく温度を調整できるデザインだと、ヒートテックをパジャマ代わりにしてもラクに過ごしやすいです。

④ 毎日洗って清潔に保つ

ヒートテックをパジャマ代わりに着ると、夜の汗や皮脂がインナーにたまりやすくなります。
肌トラブルを防ぐためにも、基本的には毎日洗濯することを意識すると安心です。
洗い替え用の枚数を用意しておくと、気兼ねなく着られます。

⑤ まずは「週末だけ」「短時間だけ」試してみる

いきなり毎晩ヒートテックをパジャマ代わりにするのではなく、まずは休みの日や、寒さが厳しい夜だけ試してみるのも一案です。

• 夜中に暑くて起きないか
• 朝起きたときに体が冷えていないか
• 肌がかゆくなっていないか

といった点をチェックしながら、自分に合っているかどうかをゆっくり確かめていきましょう。

ヒートテックをパジャマ代わりにするのを控えたほうがよさそうなケース

次のような人は、ヒートテックをパジャマ代わりに使う前に、いったん立ち止まって考えてみると安心です。

• 乾燥肌・敏感肌・アトピーなど、もともと肌トラブルが出やすい人
• 寝汗をたくさんかく体質の人（朝パジャマがびっしょり濡れていることが多いなど）
• 発熱時や体調不良のとき（体温調整がうまくいきにくいため）
• 自分で暑い・寒いと言いにくい、小さな子どもや高齢の家族

こうした場合は、就寝時はヒートテックを外して、やさしい素材のパジャマを中心に考えるほうが安心なこともあります。
不安が強いときや、持病がある場合などは、医師などの専門家に相談するのもおすすめです。

ヒートテック以外で寝るときにおすすめのインナー・パジャマの考え方

ヒートテックをパジャマ代わりにするか迷っている人には、「就寝向きの素材や組み合わせ」を知っておくことも大事です。
ここでは、代表的な素材と特徴を、ざっくり比較してみます。

素材・アイテム	特徴	就寝時に向いているかの目安
綿（コットン）パジャマ	肌ざわりがやさしく、汗をよく吸う	多くの人にとって、就寝用として使いやすい定番
ガーゼ・ダブルガーゼ	通気性がよく、ふんわり軽い	汗をかきやすい人・暑がりの人に向きやすい
シルクインナー	なめらかな肌ざわりで、吸放湿性にすぐれているとされる	乾燥が気になる人や、肌ざわりを重視したい人に向きやすい
吸湿発熱インナー（ヒートテックなど）	汗などを吸って発熱し、日中の防寒に便利	就寝時は、汗・暑さ・乾燥に注意しながら、様子を見て使い分けが必要

このように、「寝るときにどんな服が心地よいか」は人それぞれです。
ヒートテックをパジャマ代わりにするかどうか迷ったら、まずは

• 綿などのやわらかい素材のパジャマを基本にする
• どうしても寒いときだけ、ヒートテックを1枚プラスして様子を見る

といったように、段階的に試してみると、自分に合った答えを見つけやすくなります。

まとめ｜ヒートテックをパジャマ代わりにするかどうかは「自分の体」と相談しながら決めよう

最後に、「ヒートテックをパジャマ代わりに着るのはあり？メリットと注意点」のポイントをまとめます。

• ヒートテックのような吸湿発熱インナーは、もともと日中の防寒用として作られている
• パジャマ代わりにすると、薄くて軽いのにあたたかい・着替えがラク・洗濯しやすいといったメリットがある
• 一方で、寝汗が増えて寝苦しくなる・汗が冷えて寒く感じる・乾燥やかゆみなどの肌トラブルにつながる可能性があるとされている
• 乾燥肌・敏感肌・寝汗が多い人・体温調整がむずかしい人は、就寝時の使用を控える選択肢もある
• どうしても寒いときは、部屋の温度や布団の厚さをふくめて全体のバランスを見ながら、着る枚数を調整するのがおすすめ
• 綿やガーゼなどの就寝向きの素材のパジャマを基本にしつつ、状況に応じてヒートテックを使い分けると安心

ヒートテックをパジャマ代わりに着るかどうかに、ひとつの正解はありません。
大切なのは、自分の体質・肌の状態・部屋の環境をふまえて、「ちょうどいいあたたかさ」を探していくことです。

「最近よく眠れない」「朝起きると体が冷えている」「肌がかゆい」といった変化があったら、一度、寝るときの服装やインナーを見直してみるのも一つの方法です。
この記事が、冬の夜を少しでも心地よく過ごすヒントになれば幸いです。